『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 第八話~第九話

©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 第八話はこれまでコマ切れに語られていた回想シーンがまとめられ、わかりやすくなっています。ただ、新しい事実はとくに見当たりません。でも、こうやってまとめて過去を語られると、やはり心を動かされずにはいられません。

 そして、第九話。んんん? 私は、よほどの覚悟がない限り、リアルな形で物語に戦争を取り込むべきではないと思っています。これは……微妙です。ただ、どうしても気になるのは、両腕を失って止血もせずに助かるのものなか、いえ、そもそもあんなふうに動けるのか、ということ。いくら戦闘能力に優れているとはいえ、生身の人間のはずです。

 それと、ずっと気になっていたのですが、あの義手。どう考えても、あの世界ではオーバーテクノロジーです。この世界とは別の世界、という設定ですけど、現在の私たちの世界よりも科学が進んでいるとは思えません。

 このお話の根幹をなすのは、少なくとも今の時点では、悲恋ものです。先に挙げた気になる部分が、この悲恋物語の舞台装置としての役割のためだけに作り出されたものであるのなら、私はこのお話を純粋に楽しむことは難しいです。

 ただ、相変わらず、作画・演出のクオリティはとんでもなく高いです。特に、最重要回である第九話は、脚本が吉田玲子さん、絵コンテ・演出が武本康弘さんという鉄壁の布陣。

 さて。第九話でお話はほぼ完結してしまっているわけですけど、あと四話(これ全十三話なんですね)、いったいどう続けるのでしょう。あとはもう、少佐が生きているという展開しか考えられないのですけど。さて。

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