『Sonny Boy』 第一話~第十二話(終)

©Sonny Boy committee

 キャラクター原案が江口寿史さん、そして音楽をミツメや落日飛車など超マニアックな人たちが担当しているということで、見始めました。たぶん、ここ最近の一般的な日本のテレビアニメーションとは違った作品だろうな、と思っていましたけど、想像していた以上に独創的で、いい意味で予想を裏切られました。

正解はない、それが青春

 最近はもう面倒なのでネットの評判なんかは見てないのですけど、たぶんこれを見た多くの人は、様々な考察や謎解き、分析に挑んでいたのではないでしょうか。でも、私はこの作品、そういう楽しみ方をするものではないだろうと思っています。たぶん謎は解けないです。作り手はたぶんそういう作り方はしていない。では、どういうこの作品はどういう楽しみ方があるのか。そもそも、楽しみ方なんて人それぞれ、正解なんてない(もちろん謎解き含めて)ことが前提で、それでもあえて言うと、感覚で楽しめ、ということでしょうか。

選ばれなかった可能性

 考察が無意味とはいえ、一応ざっくりとした謎ときはあります。漂流した彼らは、選ばれなかった可能性のひとつだということ(たぶん)。量子論ネタとしてはよくあるお話ですよね。ただこれもはっきりそうだという描写やセリフはないので、あくまでも推測の域は出ないですけど。ただ、あの漂流先の世界では、長良たちだけでなく、過去にあの中学校の生徒たちだった人がたくさん出てきますから、たぶんそういうことなのだろうと。無限に存在していた可能性のうちのひとつ、そういう存在がたどりつく場所、みたいな。

音楽

 そういった解釈や考察といった読み解き困難なのは、この作品に登場人物の内面描写やモノローグが一切出てこないからでもあります。劇伴も一切使われていません。音楽はいくつかのミュージシャンたちによる曲がそのまま使われているのみ。この感じがすごくいいです。

 サントラ、もちろん良いです。私はアナログ盤を買って、2枚あるんですけど、どちらもよく聴いてます。やっぱりミツメと落日飛車が好きですね。ザ・なつやすみバンドもよかったです。あと、カネヨシマサル。ぜんぜん知らなかったのですけど、ガールズバンドなんですね。かっこいい。

 ところで、この作品、オープニングがないんですよね。これも独特の感覚をかもし出しています。いつの間にか、お話が始まっている。その世界にすーっと入っていく感じ。この感覚もすごくよかったです。これまでTVアニメでは経験したことがない、不思議な感覚でした。

 いつの間にか日本のTVアニメのデフォルトになっていることに縛られず、自由に作られている、それがとても魅力的でした。しばらく時間をおいて、また見返したい。そんな作品でした。

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