『さらざんまい』 第十話~第十一話(終)

©イクニラッパー/シリコマンダーズ

演劇的

 幾原監督の作品はどれもそうなんですけど、いつも演劇の匂いがします。ぶっ飛んだバンクに代表される、ケレン味たっぷりの演出だけじゃなくて、ストーリーの運び方、シナリオの構築の仕方、暗喩やメタファーの使い方、ほかにも色々と、とにかく演劇っぽい。それも、小劇場系の劇団オリジナルの舞台。そういえば庵野監督も一時期演劇にハマってたなー。

 今回も、そんな独特の作風を味わうことができました。アニメでこの感じ、やっぱり唯一無二ですね。

テーマ

 つながり、というテーマが果たしてうまく消化できているのか、正直ちょっと微妙ではありますけど、いえ、確かに主役の男の子たち三人の関係はとてもきちんと描かれてはいるのですけど。ただ、もっと広い意味での人と人とのつながりという、普遍的なところまではちょっと到達できていないような。もちろん、もともと狙っていたテーマは描かれているようなので問題ではないですけど。

 以前にも書いた通り、作画、演出、音楽――特に、橋本由香利さんの劇中音楽が相変わらず素晴らしい――いずれも高いクオリティで、充実した時間を堪能することができました。楽しかった―。

 それにしても、幾原監督作品は中毒性がありますね。また新しい作品が見たくて仕方ないです。

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