『プラネット・ウィズ』 第十話~第十二話(終)

©水上悟志・BNA・JC/Planet With Project

 素晴らしいです。古き良きSFの熱さを持ったまま最後まで走り切りましたね。

クライマックスのさらにその先

 この作品、第十話でいったんクライマックスを迎えています。ここで終わってもいい感じなくらいの盛り上がりです。しかしなんと、そこからもう一度、第十一話と最終話で、一気に盛り上げているんです。すごい。

 最終話、龍との対決は、やり方によっては本当に付け足し、蛇足にしかならない可能性だってあります。だって、普通に考えて、龍を退けて平和が訪れるエンディングになるだろうと容易に想像がつくからです。

 それを回避しているのは、龍との対決の目的が、龍に勝つ、滅ぼす、ということではなく、龍を許す、という点に収斂させているからです。勝負はすでに第十話でやっていますからね。

大団円

 そしてさらに、主人公にとっては仇である龍は、主人公の身近な存在である人物にとっては恩人であるというややこしい設定が、ここでいい具合に回収されています。物事にはあらゆる側面があり、完全な正義も、完全な悪も存在しない。このシーンは見事です。これによって、やっぱり最後の二話は必要だったんだと感じさせてくれました。そして最後はまさに大団円。

 最後の最後まで見ごたえ十分でした。楽しかったー。

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