『メガロボクス』 第一話~第二話

©高森朝雄・ちばてつや/講談社/メガロボクスプロジェクト

 なぜ今、『あしたのジョー』なのか。

 なーんて、野暮なことはこの際、言いません(一応、連載開始から50周年らしいです)。これは、あの超有名なボクシング漫画、『あしたのジョー』を原案に、舞台を近未来に移し替えて、でも直接原案とのつながりはない、完全オリジナル新作です。

泥臭さとけれん味

 まだ2話しか見てないんですけど、これ面白いです。今どきのアニメにはない、泥臭さがとにかく魅力的です。そして、けれん味のある脚本と演出が、すごくいいです。熱い! かっこいい!

 真辺克彦さんと小嶋健作さんという脚本のお二人は、映画とかドラマ(深夜食堂など)の方なんですね。お名前、初めて知りましたけど、真辺克彦さんは荒井晴彦さん(大好きでした!)が師匠だとか。そりゃー骨太なホンになりますよ。

 あと、キャラデザと総作監の清水洋さんの経歴を見て、鼻血が出そうになりましたよ。これすごいスタッフです。

 絵柄も脚本・演出も今っぽくないから、古臭いかというと、そんなことは全くないです。むしろ、逆に新しい気が、私はしちゃいます。ある意味、王道の作りですし、普遍性のあるお話です。

音楽

 さらに、音楽が超かっこいい! ヒップホップとブラックミュージックがベースで、意外と世界観に合ってます。そしてなんと、エンディングはNakamuraEmiさん! ライブ行きました! でもイマイチでした!(オイ) ま、まだ、アーティストとしてはこれからの人ですからね。でもでも、アルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』は名盤です! ヒップホップの似合うアニメっていいですよね~。『サムライチャンプルー』とかね~。

出崎監督

 ところで、ある世代以上の人にとって、『あしたのジョー』と言えば、出崎統さんです。たぶん出崎演出はまったく意識されていないと思うんですけど、やっぱりなんとなーく似たものを感じてしまうのは、同じ材料を料理しているから最終形態は違っていてもやっぱりそうなっちゃうんでしょうね。その感じもまた、見ていて気持ちいいです。

 日本のアニメーション監督と言えば、やれ宮崎だー、庵野だー、押井だー、最近だと神山だー、細田だーと皆さんおっしゃいますけど、どうしてもっと出崎監督を評価する声が上がらないんでしょう。私は昔から不思議でなりませんでした。あーん、久しぶりに、映画『あしたのジョー2』が無性に見たくなってしまいましたよー。ホセ・メンドーサ戦の演出とか、マジで神でしたよー。

 話がどんどん逸れていきそうなのでやめますけど、ええと、とにかく今風じゃない絵柄に抵抗感のある若い人は……まあムリして見なくてもと思いますけど、大人の方たちには是非見ていただきたいなーと思いました。

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