『鬼滅の刃』 第一話~第四話

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 面白い。

驚きの充実度

 驚きました。いきなりこんなことを言うと怒られそうですけど、ufotable制作でこんなにも面白い作品が見られるなんて、驚きです。これまでこの会社の作品は、作画、特にアクションシーンのクオリティはとんでもなくレベルが高く、でも、ドラマの部分、特に脚本や演出に関しては薄っぺらい印象を持っていました。絵はすごいけど中身は……というのが、申し訳ないですけど、私のufotable作品の印象です。

作画だけじゃない

 ただし、ufotable作品は作画の出来があまりにもすさまじいため、内容なんて関係なく、結局最後まで見れちゃう。それくらいすごい。特に、Fateシリーズは本当にすごいです。ですから、もしも骨太な脚本(又は原作)と地に足の着いたドラマ部分の演出が加わったら、ものすごい作品を生み出すことができるんじゃないか、と思っていました。

 そして、とうとう来ました。骨太な原作と、地に足の着いた演出。シリーズ構成・脚本は、従来同様ufotableなんですけど、たぶん原作がいいのでしょう(原作は一話しか読んでません)。さらに、演出もこの原作にいい方向に引っ張られているのか、これまでにないくらいどっしりとしています。監督は外崎春雄さん、ということは、『テイルズオブシリーズ』ですね。『テイルズオブ』のアニメ見てましたけど、とても同じ監督の作品とは思えません。すごくいいです。

もちろん作画はすごい

 絵も、原作に寄せて漫画っぽい線なんですけど、これがいい感じです。特に、主人公の刀が有している特殊な力が発現するときの水の描写が素晴らしいです。アニメーションの力が存分に発揮されています。和な感じがまたいいです。これ、葛飾北斎が見たら、狂喜するんじゃないでしょうか。つくづく、アニメーションという表現方法と、日本人が持っている絵画的感覚って相性がいいんだなーと思ってしまいます。

丁寧な演出

 ここまで、すごく丁寧に作られています。特に修行のシーン。なんと、修行だけで2年が経過しています。もちろん、描き方によって時間なんてばんばん飛ばしちゃえるんですけど、それにしても劇中の時間をここまで使ってしまうというのはなかなか堂に入っています。これもたぶん原作のすごさなんでしょうけど。それにしても、2年が経った割には主人公があまり成長(身体的に)していないように見えるのは気のせいでしょうか。この年代の子の2年間って大きく変化すると思うんですけど。

注力度

 2クールらしいので先はまだまだ長いですけど、これからも楽しみです。ufotableは2018年はTV作品を一切作らず、この作品に注力したそうで、本気度がうかがえます。なので、放送開始半年前には数話が既に完成していたとのこと。アフレコも三話までは完成した映像で行ったそうなので、声優さんたち、さぞやりやすかったことでしょう。どんな現場でもそうですけど、真っ当なスケジュール感は全体のクオリティを底上げしますよね。もちろんコストとの兼ね合いが大前提ですけど、そんな話をし出すと例の問題に触れざるを得なくなっていくのでこのあたりでやめておきましょう。

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