歌劇音楽学校が舞台ということで、題材に興味があって見始めました。原作漫画は未読です。作中に出てくる音楽学校は宝塚音楽学校をモデルとしていて、宝塚音楽学校は言わずと知れた宝塚歌劇団の人材を育成するための学校ですね。ちなみに、作中では神戸にあるみたいですけど、宝塚音楽学校は宝塚市にあります。
興味がある、といっても、特に熱心なヅカファン、ということでもなく、もともとミュージカルはそれほど好きではないので、宝塚歌劇団の舞台も二回しか見てません。でも、やっぱり実際に見ると迫力はありますし、ハマる人の気持ちも分かります。
脚本
ちゃんと調べてなかったのですけど、この作品のシリーズ構成と脚本(他の人も参加)、なんと森下直さんなんですね。森下さんと言えば、もうかなり昔のことですけど、城戸賞を受賞されて、その脚本『誘拐』は映画化されています。Wikiってみたら、日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞してました(日本アカデミー賞の価値はちょっと置いておきます)。っていうか、それよりも! 菊島隆三賞を受賞していることのほうがすごくて、その受賞作であるテレビドラマ『模倣犯』は見てないんですけど、見たい! ちなみに、菊島隆三さんはすごい脚本家で、また、歴代の菊島隆三賞受賞作品・受賞者はすごい作品・人ばっかりなんですけど、完全に話が逸れていくのでやめます。でも、森下直さんと『誘拐』についてはちょっとだけ。
森下直さんと『誘拐』
森下直さんが脚本を書いた『誘拐』、これ、アマゾンプライムで300円で見れます。むっちゃいい映画です。特に、主役の二人、渡哲也さんと永瀬正敏さんがすごくいいです。二人のやりとりがね、ぐっとくるんです。さすがです。で、肝心の脚本ですけど、これがまたすごくいいです。特に、伏線の使い方が抜群にセンスいいです。この作品、大きなどんでん返しが仕込まれているんですけど、それを補強するための仕掛けとして、いろんな技を仕込んでいるんですよね。どんでん返しや謎解きのあるお話を書く人のお手本となるような脚本だと思います。といっても、いまどきこんな古い映画を見る人はいないでしょうけど。
森下さんはその後ずっとドラマの脚本を書かれていたようです。ただ、テレビアニメの脚本も書かれていて、それが『暁のヨナ』という作品なんですけど、ちょうどその頃(2014年~2015年)、私はアニメから遠ざかっていたので、未見なんですよね、これもいつか見てみたいです。
内容……
なんか、『かげきしょうじょ!!』についてはぜんぜん触れてませんけど、ええと、正直言ってまだ分かりません。いえ、今のところとても安定していて、とてもいい感じなんですけど、なぜこれを森下直さんが手がけているのかがまだ今一つ実感できないです。これ、原作は今も続いていて、ということは、アニメは原作の途中で終わってしまうはずなのですよね。なので、原作の途中までで、なにがしかのテーマ的なものが提示されるはずじゃないかと思うのです。でもまだそれが見えてきません。
たぶんそれは、少女の成長といったような、ありきたりなものではないはず……だと思うのですけど、どうでしょう。もちろん、そんなものがなくても、面白ければそれで充分ですし、そこはすでにクリアしていると思いますし、見て損はない作品だと思います。
ちなみに、第三話は主人公のひとり、奈良田愛ちゃんが子供のときに性的虐待を受けていたことがわかる、ややヘヴィな、でも、とても重要な回なのですけど、この回の脚本を手掛けた松本美弥子さんもドラマ畑の方みたいですね。森下さんも書かれていた『科捜研の女』を書かれているのでそのつながりでしょう。この後、どのような方が脚本の担当になるのか分かりませんけど、脚本はなかなか骨太なものが期待できそうです。
ともかく、今後も楽しみな作品です。