なんのかんの言って結局担ぎ上げられるヤンが、二話にわたってイゼルローン攻略に挑みます。前編、基本線はほぼ原作通り。ただし、シェーンコップとの面会がフレデリカを伴っているところが原作とは少し違っています。
フレデリカ
第六話のポイントは……やはりフレデリカさんでしょうか。銀英伝の数少ない、貴重な女性キャラですから、その描き方には相当の注意が必要かと。石黒監督版よりも、可憐な感じがしますけど、ちゃんと自らを守るすべを身につけているというエピソードも盛り込んでいて、キャラクターの造形は考えられています。これ、前作もありましたっけ?
シェーンコップも石黒監督版よりもずいぶんと若返った感じです。これはこれでいいのではないかと……けっこうかっこいい。
そして、第七話、後編。
非・高揚感
今作の演出、やっぱりうまいです。例えば、シェーンコップの子供時代のシーン。これ、石黒監督版にありましたっけ? 思わず、おおーっと、唸っちゃいました。こういうのがポン、と入ると、ストーリーに奥行きが出ますねぇ。うー真似したい。
いくら内部からとはいえ、あまりにもあっさりと陥落してしまうのは……指揮官が無能、ということで。
そして、トール・ハンマー。たぶん意図的なのでしょうけど、高揚感、ゼロです。ヤンの「撃て」という声も、とても冷たい。敵艦が撤退したときも、指令室にはそれほど大きな歓声は沸きません。そして、原作では「とにかく疲れた」というヤンのセリフ、今作では「とにかく消耗したよ」となっています。「疲れた」ではなく、「消耗」です。そのあとシェーンコップにこう言います。「もうまっぴらだ、そんなものに関わるのは」。これも原作にはないセリフですね。ヤンが本当に嫌がっている感じがすごく伝わってきました。
今回の脚本は、『進撃の巨人』などの瀬古浩司さん。最近よくお名前を拝見します。そういえば、『ダリフラ』でも見た気が……。要チェックです。
そして、ようやく出てきました、フェザーン。次回は帝国サイドですね。