こんなこと書くと原作ファンに怒られちゃいますけど、『BANANA FISH』って、こんなに面白かったっけ? と思ってしまいました。
ストーリーテリング
いえ。すごく好きだったんですよ、原作。特に前半部分は本当に何度も読み返しました。ただ、後半はちょっと間延びした印象だったので、原作を読み返そうとしたら……なんと12巻からしかない。あれれ。どこいったんだろ……。それはいいとして。
ここまでのお話、とてもスムーズに流れていきます。テンポもいいです。あんなシロモノ(BANANA FISH)を本当に軍が欲しがるのかという疑問は置いておくとして、なかなかよくできたストーリーだなーと思います。少女漫画ではちょっと珍しいですよね、こういうの。
ストーリーテリングがちゃんとできる少女漫画家って、例えば、くらもちふさこさんとか、萩尾望都さんとか、山岸涼子さんとか、本当に限られたビッグネームの人だけだと思っていたんですけど、『BANANA FISH』の吉田秋生さんはなかなかのストーリーテラーです(もちろん漫画の面白さはストーリーテリングだけではありませんけど)。
原作が手元にないんですけど、たぶんここまでは基本的な流れは原作に忠実だと思います。そして最新第九話は、ひとつの山場となってます。
演出
この回、なかなか気合入ってましたー。ネタバレになるのであまり細かなことは書けませんけど、とにかくもうアッシュがかわいそうで……。なんかもう見てられない……。見ますけど。
原作は知らなくてもアニメだけ見ても十分楽しめるんですけど、ひとつだけ。この第九話、原作に無い、あるカットが出てくるんですけど、原作の番外編(原作最終巻に収録)を読んでいるとより一層深い意味が分かるというなかなか憎い仕掛けが施されています。
このペースで行くと、全話きちんと消化できそうですね。先はまだ長いですけど、楽しみです。