『恋は雨上がりのように』 第十一話~第十二話(終)

© 眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会

 ラストに向けて、オリジナルのエピソードを交えつつ、方向性が絞り込まれていきます。

 最終話。赤尾でこさん脚本、監督自ら絵コンテです。やった!

オリジナルエンディング

 ラスト近くのオリジナルのシーンが、アニメならではの表現方法で胸が熱くなります。あきらちゃんの若さを象徴するような、気持ちのいいシーンです。ただでもこれ、以前駅で同じようなことやってるんですよね。あれ、ないほうがよかった気がしますけど。まあそれはいいとして。

 そして、物語はやはり、あきらちゃんの陸上と、店長の小説という、お互いの夢へ向けての……というかたちで、うまくまとめています。

 派手さはないですけど、いいアニメでした。あと、音楽がすごく良かったです。サントラはBR特典だけかー。うーん。

 ……と、書いて数日後。もう一度最終話を見直しました。あのシーン、うん、やっぱり良いシーンです。アニメーションの力を信じている人が作るアニメーションは、見ていて本当に気持ちが良いです。前に似たようなシーンが……と書きましたけど、今回は前回と違って、最初から現実じゃないってわかっているので、まったく意味合いが違いますね。惚れ惚れします。

結論

 結局、女子高校生と冴えない中年の恋愛模様は最初だけで、途中からは完全に別方向にテーマがシフトしています。もちろんそれは織り込み済みで作らていて(原作もそうですし)、単に年の差恋愛物だけにとどまらない奥行きのある物語の構築に成功しています。

 青春というものを、その真っただ中で捨ててしまいかけた女の子と、一度捨てたけどもう一度拾い上げようと苦悩する男との、心の奥の奥でつながる物語。いいと思います。

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