『真夜中のオカルト公務員』 第一話~第四話

©2019 たもつ葉子/KADOKAWA/「真夜中のオカルト公務員」製作委員会

 たぶんあらすじだけ読むと、特に変わり映えのしない人外ものかーと思われるかもしれませんし、正直私もそう思って、あまり食指が動かなかったんですけど、実は意外と面白くて、録画していた第四話まで一気に見てしまいました。

着眼点の良さ

 アナザーと呼ばれる妖精や天狗など、人ならざる者が本当に存在し、彼らと人間界との調整役として、公務員の専門の部署が密かにその任に当たっているという設定。面白いのは、彼らアナザーを完全に人間とは相いれない存在として描いているところ。アナザーは一般人には見えませんし、特殊な能力を持った人(そういう人が担当職員となるわけです)でも、普通は言葉が通じないという設定です。なるほどー。すごく単純なことなんですけど、着眼点が素晴らしいです。

 異世界ものなんかで、フツーにドラゴンと人間が会話したりしていますけど、昔から私はそういうのって、どこか違和感がありました。もちろん、すべてがそうというわけではなく、作風によっては別にそれで全然構わないんですけど、もうちょっとこだわってもいいんじゃないかなーと思ってました。

アナザーの位置づけ

 この作品世界では、アナザーは人間の理屈や理論が一切通じない、自然災害のようなもの、と捉えられています。つまり、台風に、こっち来ないで、って話しかけているようなものということですね。

 でも、主人公だけは「砂の耳」という、アナザーと会話ができる能力を持っているという設定。うん。面白いです。

 いや普通に会話できた方が話が簡単でいいじゃん、と思う人もいるかもしれませんし、実際主人公しか言葉が通じないというのは、作り手にとっても面倒なはずです。でも、人知を超えた存在にどう対応するのかという切り口はすごく新鮮だと私は思います。この切り口の裏に、なにか深いテーマが込められているのか、いないのか、今のところ分かりませんけど、どちらにしても、注目に値する物語だと感じました。

 これ、原作は漫画で、表紙の絵のセンスがすごくよかったので、思わず第一巻買っちゃいました。原作も面白いですね。オープニングも原作漫画の感じに寄せていて、かっこいいです。

 今期、一見地味な作品に良作が多い感じがします。偶然でしょうけど。この作品、これからたぶん人とアナザーとの関係性を掘り下げていくことになるのでしょう(違うかもしれません、違ってたらすみません)。どんな展開になっていくのか、引き続き見続けていこうと思います。

タイトルとURLをコピーしました