『ウマ娘 プリティーダービー』 第十二話~第十三話(終)

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 シンプル・イズ・ベスト。

第十二話

 第十二話が実質的な最終回(第十三話はおまけ回です)。内容は、主人公スペシャルウィークことスぺちゃんの大勝負、ジャパンカップです。

 で、当然のことながら、そのレースシーンがクライマックスなのですが、これがなんの仕掛けもないんです。本当に、ただただ、死力を尽くして走っているだけの(もちろん多少の駆け引きはあるにせよ)シーンなんです。

 しかもこれ、1999年の実際のジャパンカップを基にしているので、結果も予想がついちゃうんですよね。

 なのに、むっちゃ感動します。なんで? ただただ、うおーって、走ってるだけだよ?

 なんででしょう。

 たぶん、レースって、勝負って、そういうものだから、なのかなーと。といいますか、そうとしか考えられません。

 そして、そのシンプルな事実に気付いた作り手が、その事実に忠実に従って作ったことがこの作品の勝因なのではないかと、私は勝手に解釈しています。

 ちなにみに、この回の演出の今泉賢一さん、たくさんの作品で絵コンテや演出を手掛けてらっしゃって、やっぱりさすがだなーと思いました。

実レースの再現性

 最後に。ニコ動に、1999年のジャパンカップとこの回のレースをシンクロさせた動画がアップされています。すごいです。展開も、実況もほぼ同じタイミングという驚異の再現性なのです。

 つまり、実際のレースを忠実に再現するだけで、こんなにも熱いシーンを作ることができるということですね。だからといって、別にフィクションがノンフィクションに負けるとか、そういうお話でもないと思います。実際のレースをうまく取り込んで、シンプルに(でもある意味すっごく手が込んでる)仕上げた作り手のセンスを私は評価したいなーと思うのです。面白いなー。

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