『恋は雨上がりのように』 第一話~第四話

© 眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会

 原作漫画は未読ですが、ずーっと気になっていていつか読もうと思いつつ今に至る……。

 アニメはシリーズ構成・脚本が赤尾でこさん、監督が渡辺歩さん、ということはあの、隠れた(?)大傑作(た、たぶん)『謎の彼女X』と同じコンビ! これは見ねば……と思いつつこれまた録画だけしてようやく四話まで一気見です。

安定の演出力

 アルバイト先の四十五歳バツイチ子持ち独身のぱっと見冴えない店長に恋をする女子高校生のお話……ああ、何てシンプル。どこかの今期作とは大違いです。やっぱりシンプルなお話ほど、強度があります。

 面白い。渡辺監督、さすがです。特に一話はとても抑制のきいた演出で、セリフで語らず、モノローグでも語らず、極力映像だけで語っています。素晴らしい。

 たぶん原作もそうなんでしょうけど、主人公のあきらちゃんが、一見クールなキャラなのに、意外とグイグイと押してくるのが面白いです。展開がびっくりするくらい早い。それに伴って、最初はすごく抑制されていた演出もどんどん動きが出てきて、二人の距離が縮まる感じとのシンクロがまた上手いです。

 中身がぎゅっと詰まっているので、CMが入ると「え、Aパート終わっただけ? まだあと半分あるの?」とびっくりしてしまいます。

心象表現

 これ、主人公は女の子のあきらなんですけど、モノローグは店長なんですよね。あきらは独り言は言いますけど、彼女の内面は、基本的に表情や仕草、行動の描写のみ。これがまた素晴らしくって、特に彼女の瞳の演出がいいです。思わず引き込まれます。

 原作の連載は青年誌なので、ターゲットは男性なのかもしれませんけど、女性も楽しめる内容です。今期、『宇宙よりも遠い場所』と一二を争う素晴らしい作品だと思います。

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