『徒然チルドレン』

©若林稔弥・講談社/徒然チルドレン製作委員会

 15分アニメです。原作は漫画で、作者は若林稔弥さん。もともとはWeb漫画だったんですね。シャープで可愛い、好きな絵柄です。アニメの方は前情報もなく、何気なく見始めたのですが、あまりの面白さに原作を全巻購入、さらにDVDまで買ってしまいました(キャストのオーディオコメンタリー付きなので)。

 とある高校の複数の高校生カップルを描く、ラブコメ群像劇……と一言で言うとそうなってしまうのですけど、なんかもう、みんなすごくいい子たちばかりで、胸がきゅんきゅんします。

 どのエピソードもそれぞれカップルの特徴がうまく表現されていて、飽きません。十数分という長さもちょうどいい感じ。そして、全体を貫くこの安定感は、シリーズ構成・脚本がベテランの浦畑達彦さんだからでしょうか。浦畑さんは本当にたくさんの作品のシリーズ構成・脚本を手掛けているのですけど、私がいちばん印象に残っているのは『境界線上のホライゾン』です。あの、とてつもなくわかりにくくて、やたらと登場人物の多い、やっかいな原作を1クールにまとめ上げた手腕は見事です。特に第一期の構成が素晴らしいのですけど、話が逸れていくのでまたの機会に。

 それと、これはあまり詳しく書きたくはないのですが、あるキャラクターがあまりにも秀逸で、それを見るだけでもDVDを買う価値があるのではと、個人的に思ってしまうくらいハマりました。声を当てている浪川大輔さんが、素晴らしい技を披露してくれます。もうキレッキレです。

 胸きゅんと笑いはもちろん、ほろりとさせてくれる(私はあるエピソードでぼろぼろ泣いてしまいました)、とても懐の深い作品。これもまた原作が素晴らしくて、最新刊ではとんでもないレベルに達しています。第二期を切に希望します。

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