この作品は2018年6月で第二十話までがいったん終了、期間を開けて9月に最終四話を放映して終了しました。
原作は長谷敏司さんの小説ですね。私は原作は未読ですので、どの程度原作に沿っているのか分かりませんけど、原作の位置づけは非常に重要だろうということは推察できます。
とにかく、内容が先進的です。おそらく、AIに関する未来予想図をここまでリアリティを持って描き切った物語は、世界的に見ても、どんなジャンルにおいても存在しないのではないかと思ってしまいます。もちろん、分かりませんけど。でも、そう言わしめてしまうくらいの説得力がこの作品のストーリーには存在しています。
人間の能力を超えてしまったAIがどのように人間と関わっていくのか、また、心を持たないAIが人間と共存していくということはどういうことなのか。そのような最先端の問題に、この作品はひとつの回答を提示していて、それがとても納得できる形で示されているのです。
これまでAIを扱った作品は、ジャンルを問わずたくさん登場していますし、すでにシンギュラリティという言葉は、誰もがその意味を知っている、一般的なものになりつつあります。まるで心を宿しているかのようなAIが出てくる作品も少なくありません。
そんななか、この作品では、AIは決して人間と同じような心を持つことは決してないという、とても現実的なスタンスに立ちながらも、その先の人間とAIとの新たな関係性を見出すことに成功しています。
正直言って、アニメーションとしての完成度については色々と意見が出てきそうではありますけど、ここまで先進的な内容を持つこの作品は、評価されてしかるべきだと思います。もしかしたら、この作品が本当に評価されるのは50年くらい先のことになるかもしれませんけど。